会計事務所に関するビジネスと今後
「箱だけつくって売るという時代ではなくなってきていることはたしかです。
その土地、その建物に、企画力で付加価値をどうつけていくか。
どう、つけられるか。
これからは、それが問われる時代です」Nが、次はどんな地域に着眼するか。
その土地でどんな物件を展開するのか。
同業他社はみな、その視線の行方に、強い関心を注いでいる。
競争が激化するコンパクトマンション市場にあって、圧倒的優位性を発揮するD。
その最大のエネルギー源は、自他ともに認める営業力にある。
実は、平成16年3月18日付の『週刊住宅』が、「……昨年から注目を集め、供給が活性化してきたコンパクトマンションについて、需要動向が相変わらず不透明なのが気になる……」と指摘するように、コンパクトマンション市場は早くも転換期を迎えているという声もある。
この記事を裏書きするように、大手ディベロッパーが手がけたコンパクトマンションの売れ行きは決して好調とはいえない。
かなりの売れ残りを出しているのが実情なのだ。
Nは、そうした動きには敏感に反応し、この記事に先立つ半年前、企画営業本部を新設し、営業体制のさらなる強化をはかっている。
もともと、Dの営業力には定評がある。
はじめのころは、小規模物件が多かったこともあり、折り込みチラシも使わない。
ましてや、新聞広告などを打つ資金もなかった。
営業マンが直接顧客にアプローチしていく方法で販売を進めてきた。
そもそもコンパクトマンション市場では、大手の従来のやり方でそう簡単に顧客をつかむことはできないようである。
「ジュニアファミリー向けマンションのターゲット層は新聞離れが進んでいて、新聞はとっていない方が多い。
結果論ですが、新聞広告や折り込みチラシは、そう有効な手段ではなかったことになります」。
いまDが活用しているのはインターネットのホームページだ。
Dのホームページにアクセスしてくる人々を見込み客ととらえ、営業マンは話を進めていく。
「『D』の営業マンは、深夜近くまで電話営業をしているといわれていることも知っています。
しかし、ターゲット層の多くはそうした時間でなければ帰宅していなかったりするのです」。
ときには、売り出し物件の周囲にある他社物件で、まだ売れていないものを積極的に仕入れ、Dの物件と合わせてきれいに売りきってしまうこともある。
ある物件に興味を示した顧客は、その近隣にある物件にも心を動かされることが多いという、顧客心理を知り尽くした戦略だ。
「電話営業、訪問営業、現地営業……。
当社の営業は原始的なスタイルが多かったですね。
とにかく、やる気と根性は最高にあった……」とNは、一瞬、スタート当時を懐かしむような表情を目に浮かべる。
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